主婦が交通事故でむちうちになった場合
1 主婦にも休業損害が支払われる
主婦が事故でむちうちになり、家事を休んでも、収入は減少しないため、休業損害は支払われないようにも思えます。
しかし、現在の裁判所の考え方によれば、事故によって家事に支障が出た場合、主婦としての休業損害を認めています。
以下、主婦としての休業損害について、ご説明します。
2 単身者や男性には支払われるのか
主婦としての休業損害の対象となるのは、誰かのために家庭内の家事を無償で行っている方です。
単身者については、誰かのために家事をしているわけではないので、主婦としての休業損害は支払われません。
また、女性だけでなく、男性であっても、誰かのために家事を無償で行っていれば、主婦としての休業損害が支払われます。
3 計算方法
主婦としての休業損害の計算方法は、「賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎として、受傷のため家事労働に従事できない期間につき認められる」とされています。
例えば、令和4年の賃金センサスによれば、賃金額は年394万3500円なので、1日当たりの休業損害は1万0804円となります。
家事労働にできない期間が30日あったとすると、主婦としての休業損害は、32万4120円(日額1万0804円×30日)となります。
4 弁護士にご相談を
被害者が弁護士に依頼していない場合、相手方保険会社は主婦としての休業損害を日額6100円で計算して、示談の提案をすることが多いです。
被害者の多くは、日額6100円が妥当かどうか分からないまま、示談に応じているのが現状です。
弁護士が相手方保険会社と交渉すると、日額が高くなったり、休業の必要性の認められる期間も長くなる可能性があります。
主婦としての休業損害でお困りの方は、一度弁護士にご相談ください。