物損事故と人身事故の違いに関するＱ＆Ａ

交通事故は、物損事故と人身事故に分けられます。

「物損事故」とは、自動車や建物などの物にのみ損害を発生させた場合をいい、「人身事故」とは、交通事故によって人の生命・身体に損害を発生させた場合をいいます。

人身事故と物損事故は、人の生命・身体への被害があるかどうかによって区別されます。

物損事故で支払いの対象となる賠償金は、主に車両の修理費、車両の評価損、レッカー代、代車費用、休車損害、積荷その他の物品損害だけとなります。

人身事故では、主に治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料が賠償の対象となります。

はい、交通事故によって怪我をした場合には、警察で人身事故に切り替えなくても、相手方の自賠責保険、任意保険から治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などの人的損害は賠償されます。

人身事故に切り替えると、加害者は過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪等の刑事罰に問われる可能性があります。

物損事故のままだと、加害者は刑事罰を負いません。

また、人身事故に切り替えると、加害者の運転免許の違反点数が加算されます。

いいえ、物損事故では、自賠責保険は使用できません。

加害者が任意保険に加入していた場合には任意保険によって賠償されることになり、賠償額が任意保険の限度額を超える場合や加害者が任意保険に加入していない場合には、加害者本人が賠償責任を負うことになります。

このとき、加害者がきちんと賠償をしてくれれば問題はないのですが、加害者に財産がなかったり、そもそも支払う気がないような場合には、賠償が全く受けられない可能性もあります。