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交通事故における自由診療と健康保険での治療に関するQ&A

自由診療と健康保険での治療にはどのような違いがありますか?

各医療機関や症状などによって異なりますが、一般的には、自由診療の方が充実した治療を受けられます。

人身傷害保険を使用することになったのですが、健康保険を使用してほしいとお願いがありました。自由診療で治療することはできないのでしょうか?

できる場合があります。

保険会社の約款上、人身傷害保険で健康保険を使用しなければならないという義務規定は無いことが一般的です。

保険会社に自由診療で治療を受けたいと伝えて、交渉してみることをお勧めします。

相手方保険会社から、「今回は過失割合が生じる事故なので、健康保険を使用した方が最終的に受け取れる金額が増える」と言われましたが、本当ですか?

そうとは限りません。


過失割合が生じる場合、過失割合に応じた金額のみ相手方が賠償義務を負うことになるため、治療費全額について相手方が賠償義務を負うものではありません。

そのため、理論上は、過失が生じる場合には治療費の金額を抑えられた方が手元の残る金額が大きくなりやすいことになります。

たとえば、過失割合当方40対相手方60、自由診療の治療費が100万円、慰謝料が100万円、健康保険での治療費が10万円であったと仮定した場合、自由診療の場合には、治療費100万円+慰謝料100万円=損害額合計200万円✕過失割合0.6=賠償金120万円となりますが、このうち100万円は治療費の支払いに充てられてしまうため、実質的にお手元に残る金額は20万円になります。

これに対して、健康保険を使用した場合には、治療費10万円+慰謝料100万円=損害額合計110万円✕過失割合0.6=賠償金66万円となりますが、このうち10万円が治療費の支払いに充てられ、実質的にお手元に残る金額は56万円になります。

このように、理論上、過失割合が生じた場合には、健康保険を使用した方が最終的に受け取れる金額が大きくなりやすい傾向にあります。


もっとも、過失割合が生じる場合であっても、人身傷害保険(こちら側の保険でご自身などの治療費などを支払ってくれる保険)が使える場合には、過失割合で減額された分の全部または概ねが事後的に支払われることがあります。

また、自賠責保険で支払われる金額の方が、裁判上で認められる金額より高い場合などは、自賠責保険の上限内であれば、自由診療であっても最終的に受け取れる金額が変わりません。

健康保険を使用するかについてお悩みの方は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。